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2005.02.06

『心理療法個人授業』 河合隼雄・南伸坊共著 by 頑固な文庫読者

河合 隼雄著: 心理療法個人授業(新潮文庫)

質問:心の中がどうなっているか、自分でさえ分からないのに、心理療法に携わる人に分かるのだろうか。
答え:分かりません。

それでは心理療法とは何なのか。精神科の診療と何が違うのか。
例えばこんな例。
「クライアントが提出する二択問題で、どちらに答えても×というときは、その解決を知識ではなく、自分の身についている知恵にまかせることが大切だ」

あるいは、こんな単純なことに気がついていなかった自分。
マジメすぎる、というセリフの意味のその奥にあるモノ。
「問題なのは、マジメなことではなく、(それが)不適当なところ(に気がつかない)なんでした」
(括弧内は自分の補足)

それでも、心理療法家によれば、自分でえさ分からない心の中が少しは分かるらしい。でもすべて分かるわけではない。重要なのは、そのことがよく分かっていること。宗教家や占い師が人の心を支配してしまうのとはわけが違う。
治療においては患者との関係に細心の注意を払い、しかも引き際をわきまえていないとならない。訓練を重ね、自分も指導を受け、臨床心理士として立つ。一般の診療とははるかに異なる内容に、やっぱり少し遠くの世界なのかな、と思うのだ。

ただ、この本を読んでいる時は授業の内容が分かりやすく、それぞれのポイントが示されているので、非常に面白い。結局は「分からない」ことを前提として「分かろうとする」努力なのだ。少しでも分かった先にあるモノ。きっと、分からないことが増え、分かることも増えていくのだ。
これって、好奇心と同じではないか。だからなのだ。

今までの個人授業シリーズと同様、シンボー氏が「分からない・知らない」という立場と、今までの経験とを取り混ぜて語る方法が上手い。

『心理療法個人授業』
河合隼雄・南伸坊共著
新潮文庫 ISBN4-10-141035-6
本体400円+税

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コメント

こんばんは、nasubiです。
おーっ。みそがいさんも心理療法の極意が少しはおわかり?禅問答みたいで面白いでしょ。でも私はこれで長年苦しんでるんですー。少しはわかるような気がするようになってきましたのつもりのつもり。ハハ..笑えんですわ。(冷や汗もん)
しかし、河合先生と南伸坊さんとは実に面白い取り合わせですね。かみあってそうでかみあってないみたいでかみあってるみたいでしょ。何かいいなぁ。

投稿: nasubi | 2005.02.06 21:16

nasubiさん、まいどです。
極意なんて全然(汗) でも、巷に氾濫するお手軽な心理テスト本みたいなやつやハウツーモノを読む前に、これを読んで欲しいですね。知っているのと知らないのでは、きっと大違い。
自分のことが分からないのは置いておいて、人のことをいかに分かるか、という姿勢が重要なんですね。(もちろん自分のことを知ることも重要なんですが) 苦しいとか辛いとか、何だか分からないモヤモヤしたモノとかを、分かる、分かろうとすることって難しい。一方通行では無理。
そういう意味で、信頼に足る先生というのは頼もしいし、氾濫する本の中身を鵜呑みにするというのも?と思うのです。
シンボー氏は最終講義で「ものたりなさ」を感じていたようですが、「知りたい・分かりたい」と思うことの裏返しなんですね。あっしもそう思います。なんだか言いたいことが上手くかけませんが。

投稿: みそがい | 2005.02.06 22:55

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