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2005.03.05

『サイエンス言誤学』 清水義範著 by 頑固な文庫読者

清水 義範著: サイエンス言誤学(朝日文庫)

 「科学をおもしろがるとは、わかることを求めるのではなく、わかっていくことを楽しむような気がする」

 ありゃりゃ。ここさえ読めば、本書に登場するすべての項目の内容は知らなくてもよくて、項目に関して自分で調べたり、関連するそのほかの情報を仕入れたりすればよいのだ、ということが分かる。

 分かるとは、すなわち答え。
 著者には教育に関する著書もあり、本書は、いわば形を変えた教育書でもあるのではないか。教育とは答えを得るためのモノではない。
 過程が面白く楽しいのだ。

 「植物の浸透圧は5~18気圧もある」
 たとえばこの一文。
 自分がここから思い浮かぶのは、「なぜそんなに高いのか」「何かに利用できないか」なんてこと。それらの一つの答えは書かれている。だけど、それを読んで「あぁそうか」で終わってしまうのはもったいない。きっと、その先にさらに深い、あるいはもっと別の何かがある、と思ってしまうのだ。

 「宇宙空間にどっちが上かということはないのだから、北極が地球の上側だということはないのである。(だから世界地図を逆さにしても変ではない)」
 なるほどなるほど。
 似た話で、宇宙戦艦ヤマトなどの宇宙モノアニメでは、戦艦やアーマーは画面の上を通常の生活同様に設定しているが、そんなことは関係なく、逆さにしたっていいのだ。

 話が脱線したが、問題に対する答えだけが重要だと考えるならば、科学という分野は全く面白くない。関連づけたり、その過程や先を考えたりすることが「おもしろさ」の本質なのである。

 本書は、読んでいくだけでその雰囲気が味わえる。
 今は無き「サイアス」という科学雑誌の連載モノで、実は買っていた時期がある。このコラムも読んでいたはずなのだが、ほとんど記憶にない。
 だから、非常に楽しく読めたんだと思うが、覚えていたとしてもきっと同じだと思う。楽しいモノはやはり楽しいのだ。

 科学嫌いにも、読んで損はない。

『サイエンス言誤学』
清水義範著
朝日文庫 ISBN4-02-264339-0
本体580円+税

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