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2005.03.06

『いつもひとりで』 阿川佐和子著 by 頑固な文庫読者

阿川 佐和子著: いつもひとりで(文春文庫)

 小説もいいけど、エッセイはもっといいよね。

 解説にも書かれているが、「気付きの力」とはぴったし。多かれ少なかれ、誰のエッセイであっても「何かに気付いて、何かを感じる」ことが重要であり、それがなければ読者には何も伝わらない。しかも、その何かが読者の生活の中で起きうるモノだったり、想像が可能なモノでなければならない。(だって、全然想像できないモノを読んだって、気持ちが悪いだけでしょう)

 「何がわかって、どこがわかっていないか、わからない」
 ニュース番組のアシスタントをしているときの焦り。うーむ、分かるなぁ。学校の勉強や会社の仕事、なんにでも当てはまりそうな焦りですな。そういや、就職したての時、何が何だか分からなくて、半分呆然としていたときのことを思い出す。

 その後に、著者は自分が何をすればいいかを見つけることになるのであるが、こちらは一向に・・・(笑) まぁ、それはそれとして、自らの経験や想像可能な状況を、読者が同じ立場や目線で感じたり考えたりすることができるのは、著者冥利に尽きるだろう。

 例えば「踊り明かそう」というエッセイ。
 「マイ・フェア・レディ」というミュージカル映画のなかで、イライザ役のオードリー・ヘプバーンが苦心惨憺した発音練習をクリアしたときに歌い踊るナンバーなのだが、理由は別であるけども、非常に思い入れのある曲であることが書かれている。僕にとってもそうである。
 なんだか、忘れていた落とし物を見つけたような嬉しさとでもいうのだろうか(笑)

 その他、細かい点で「うんうん」と納得し、「へぇそうかい」と驚き、「でもなぁ」と首をかしげる。
 それらいくつもの積み重ねが、全体の楽しさをふくらませているといってもいい。

『いつもひとりで』
阿川佐和子著
朝日文庫 ISBN4-16-743514-4
本体495円+税

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