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2005.08.17

『オロロ畑でつかまえて』 荻原浩著 by 頑固な文庫読者

荻原 浩著: オロロ畑でつかまえて

 売るためには手段を選ばない。無いものを有るものにしてでも。

 過疎の村と、わらをもつかむ弱小広告社。
 反則ワザを繰り出してでも村を売り出したいという意気込みは、いったいどこから来るのだろう。

 それが広告屋、クリエイティブな仕事だ、と言われてしまうと返す言葉もないのだが。
 過疎の村が望むものは何なのだろう。
 弱小広告社が求めるものは何なのだろう。

 物語の序盤で、村の住人がこんなことを言う。
 「裏の庭で見つからないものは、どこへ行ったって見つからない」

 なるほど、一理ある。でも、そうではないと誰もが思うし、多くの人は庭以外の場所に何かを見つけに行くのだ。

 後半、ドタバタとした感じになってしまうのは少し残念なのだが、実は「庭にも見つけるべきものがある」ことに気がつかされる。
 回りくどいけど、そういうことなのだ。

 身近なところで隠れるようにしているもの。光っているのに視線を向けることのないもの。気がついているのに本当のことをしらないもの。
 そんなものって、一つや二つじゃない。

 見つけることが出来た人には、ひとつでも十分なものばかりなのだ。


 次作である『なかよし小鳩組』に比べると、物語はぎこちない感じはする。順番としては発表順に読むのがベストだろう。

『オロロ畑でつかまえて』
荻原浩著
集英社文庫 ISBN4-08-747373-2
本体457円+税

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