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2007.02.18

『七つの黒い夢』 乙一・恩田陸・北村薫ほか著 by 頑固な文庫読者

乙一・恩田陸・北村薫ほか: 七つの黒い夢

 誰もが忘れてしまうけど、子供の頃にこんな能力があったなら。

 7人の著者による不思議な短編集。
 乙一、恩田陸、北村薫、誉田哲也、西澤保彦、桜坂洋、岩井志摩子。

 このなかでは、乙一「この子の絵は未完成」、誉田哲也「天使のレシート」。

 描いた絵から「におい」が出てくることを制御できない幼稚園路の息子と母親のドタバタ。
 起こる事件は他愛もないものばかりである。その後に隠されているのは、制御できない状態がいつまで続くのか、息子が事の善悪を判断するまでに生じる軋轢はどうなるのか、というジワジワとした圧迫感である。
 架空の能力が示しているのは、僕らが子供の頃に持っていた何の力なのだろう。今は思い出せないけど、大人になるために、知ってか知らずか引っ込めてしまったもの。

 「天使のレシート」は、ラストシーンに尽きる。
 物語終盤の出来事で一旦「そうきたか」と思わせたあとの「!」。物語をもう一つ上の視点から読んでいれば予測できないこともないが、感情移入していると足下をすくわれる。
 こういうパターンは嫌いではない。いや、かえって気持ちいいものだが、物語の中身としては救われないのが玉に瑕(笑)

『七つの黒い夢』
乙一・恩田陸・北村薫他著
新潮文庫 ISBN4-10-128151-3
本体400円+税

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