「ワーナー・ビショフ写真展『Japon』」
東京の桜は開花宣言が出されたモノの、直後に寒い日が続いていて見頃は次の週末あたりのようではあるが。
月末には実家に帰らなければならないので、ついでに一足先に桜見物にいってみた。
常盤平桜通り(千葉県松戸市)、日比谷公園、皇居、千鳥ヶ淵、靖国神社、神田明神、上野公園。
いずれも、やはりというか当然というか、咲き始めからせいぜい2~3分と、満足いくモノではなかった。
靖国神社の桜を見て、坂を下ると右手の堀端にには昭和館という建物がある。
以前、ここで「手塚治虫と戦争」といった感じの展示があり、けっこう気合いの入ったものだったので、今日も何かやっているかと展示案内を見てみると、
昭和館特別企画展 開館10周年記念
ワーナー・ビショフ写真展
とある。
写真には詳しくないので、この人がどんな写真家なのか全然知らない。
ただ、展示の協力に「マグナム・フォト東京支社」とあった。
マグナムといえば、キャパが関わった写真家集団の名前である。
それだけは知っていたので、時間つぶしといった気分で展示会場へ。
展示されている写真は60枚程度。いずれも1951年から52年の頃の日本。
当時のメモや雑誌、カメラなども展示されていた。
会場の半分ほどを見終わったところで、ワーナー・ビショフ氏の息子であるマルコ・ビショフ氏が現れてトークが始まった。
あっしはこういうのが苦手なので退散しようとしたのだけど、集まってきた見学者に退路をふさがれ(笑)、仕方なくトークを聞くことに。
で、最初は何となく聞くか、という気分だったけど、聞いているうちに面白くなってきて、結局1時間があっという間に過ぎてしまった。質疑もいくつかあって、それなりに盛り上がっていた。
マルコ氏は物心つく前に父(ワーナー・ビショフ)を亡くしていたとのこと。
今回の写真展(これだけではないが)はマルコ氏が父に近づくというか、父を知るための一環なのだと気付く。
もちろん当時の詳しい状況は写真そのものや残されたメモ、母の存在によるところが大きいだろう。
父が理解しようとした日本。
どこまで復元できただろう。
復元できた日本が直面している現状に、子はどう感じているだろうか。
自分はどうかと振り返ってみると、その存在の大きさに、足元にも及ばないという引け目ばかりに思われる。
トークでは写真を撮ってもいいみたいだったが、あっしは人物を撮ることがないので結局マルコ氏を撮ることが出来なかった。なんだかな。
写真や父について話す姿は、いかつい体に似合わず、なんだかユーモラスだった。
昭和館にて 4/19まで
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