『見えないがんをみる』 (東京大学 健康と医学の博物館) を観る
東京大学医学部の附属病院は、江戸時代の神田お玉ヶ池種痘所がもとになっているとのことで、既に創立150年を越えている。150周年の記念事業として「健康と医学の博物館」が昨年1月に完成公開となったようである。
今回見学した『見えないがんをみる』という企画展は、第3回。
実は第2回は『血管の秘密』というもので、観たかったのだが都合がつかず。(第1回は博物館の存在自体を知らなかった(汗))

日本人の死因において、がんは多くの割合を占め、いかに早く発見し治療するかが重要なポイントになっているのは誰でも分かっていることである。
今回の企画展では「どうやって発見するか」ということに焦点を当てている。
最初のパネル展示では、皮膚がん、大腸がん、乳がんについての説明。
特に、乳がんについては、触診用の乳房模型が置かれていて、自分でも触診もどきをしてみることができる。
がんを含む4カ所の病変が仕込まれているのだが、そのうちの1つはあっしには全然分からなかった(汗)
ちなみに、乳がんは男もかかる病気とのことで、できればパートナーと共にここを見学して、触診してみて、お互いに診断し合うというのもありだろう。

実際の病変の顕微鏡画像をみることができたり、脳腫瘍や肺がんの標本をみることができる。
自分の体の中を見ることは、余程のことがなければ無いのだから、こういった機会を積極的に利用すべきだろう。
また、医師が使う内視鏡の世界も面白い。
あっしはずっと前に吉村昭の『光る壁画』で読んだ胃カメラを作り上げるまでの話を読み、実物がどんなものかを見てみたいと思っていたけど、それが実現した。

写真の一番下に並んでいるのがガストロカメラ。
おそらく、この前に多くの試作品が作られ、数々の技術をさらに投入していったのだろうと思うと、日本人として誇るべき発明だ。
また、X線撮影や、超音波、CT、MRIなど、もはや一般名詞化したとも言えるものだって、がんを可視化するために作られ、大いに利用されているものだ。さらに、超音波内視鏡、狭帯域光観察のデジタル画像処理など、たゆまなく進化していることを実感する。
腫瘍マーカーと呼ばれる血液内に出てくる物質を検出することでがんの有無を推定したり、放射性医薬品を投与して病変部に集まる特性を利用したり、と、すごいです。
これらの方法あるいは新たな方法が今後現れるとして、必要なことは最小限の負担で最大の効果を得られるようにすることなのだろう。
さてさて。
この日は盆休みとなる最初の土曜日。
あっしがここについたのが11時過ぎだった。
先客が2人。その後新たに見学者がいたかどうかは、あっしが展示物に食い入っていたのでよく分からないが、いたとしても数人だろう。
もったいないなぁ。
病気にはなりたくないし、できれば病院のお世話になりたくないと思っている人は数多いだろうけど、現実に何が行われるかを知っておいて損はない。
そういう意味では、患者側からみた診断に対する信頼度が上がるのではないかと思う。
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