『小村雪岱展 大正・昭和のグラフィックデザイン』(ニューオータニ美術館) を観る

11月某日。
ニューオータニ美術館には、マリー・ローランサン展で初めて立ち寄ったのですが、小さいながらもちょっと目の付け所が違うというか、コアな展示もするのだなぁと思った次第。
小村雪岱という人を全く知らなかったが、彼による本の装幀画は現代においても光るモノを感じさせる。
今回の展示は、小村雪岱の装幀画を中心としたもので、泉鏡花、久保田万太郎、里見弴などの単行本を数多く集め、表紙のみならず、見返しにも施された絵もじっくりと観ることができた。
現在のハードカバーなどでは、見返しに何かが描かれているということはほとんど無いと思うが、そう考えれば大正、昭和の初めころの本は贅沢な造りである。
表紙絵と見返し絵のつながり、表裏で感じる季節の移り変わり。
奥行きを感じさせない絵であったり、遠近感を強調した絵であったり。
風景であったり、デザイン調であったり。
いやはや、面白い。
ホンの小さな面積であるのだが、いくつもの表現手法を凝らして、思う存分楽しんでいる様に思える。
また、表紙絵や挿絵などに登場する美人画もまた面白い。
浮世絵の流れを汲んでいるようなのであるが、基本的に狐顔(笑)
これまた独特で、一旦この絵を観ると、別の絵を観ても、「これは雪岱だな」とすぐ思い浮かぶようなインパクト。
正直、あまり期待はしていなかったんだけど、こういうことがあるから楽しいんだよなぁ。
逆に、このような装幀画が持つ力を現代の進んだ印刷技術を用いても追いついていない、という不思議さも感じるのだ。
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