『ジョルジュ・ルオー I Love CIRCUS』 (パナソニック汐留ミュージアム)を観る

昨年の12月某日。
ルオー。…ですか。
聞いたことあるような無いような…。
で、この美術館のHPでいろいろとルオーの作品を観てみたら、宗教画でもないし、抽象画でもない。
静物画でもないし、写実画でもない。
おぉ、なんかいいぞ。
この美術館の主所蔵品がルオーのものが大部分らしく、企画展ではその都度異なるテーマで作品を展示しているようだ。実際に展示スペースはそれほど大きなものではないから、いろいろなテーマ別に選んでも困らないのかも。
さて、今回のテーマは「サーカス」。
あっしは一度しか観たことがないけど…、と思ったが、一度も観たことがない、なぁ。
小さな頃は、何度か木下大サーカスのテントを見かけたことがあったっけ。
観たことはないけど、華やかでワクワクするショーなんだろう。
というイメージで作品を観ると、もののみごとに裏切られる。
観客の側から観るサーカス。
演じる側から観るサーカス。
双方の視線、印象は一致しない。
ルオーの視線は、舞台裏から投げかけられたもの。
もの悲しさと、息苦しさがにじみ出てくる感じ。
クラウン(ピエロ)の表情は、どれも演技ではなく素の表情になっており、観客としてでは見ることのできない一面をさらけ出している。仕事の前、あるいは、仕事のあと。今この時に観客を喜ばせなくてもいいクラウンは、それでも喜んでもらえる方法を考え、また、自分の置かれている状況を顧みる。
曲芸師は、苦しげに手と足を広げ、それでも額縁からでさえ出られない苦悩を何度も何度も同じ構図で捉えられている。
誰にでもある、こういった瞬間を捉え、荒っぽいとも感じる筆を使って表現している。
こりゃ、ここに来る価値があった。
やっぱり、こういうことがあるから知らなくても観てみる必要があるんだよな。
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