『飛騨の円空 千光寺とその周辺の足跡』 (東京国立博物館) を観る
『書聖 王羲之』を観た後、本館で行われていた特別展『飛騨の円空』にも。
会場に入ると、右手側に2mを優に超える大きな木彫りの像が3体。
荒々しい削り痕が残るその像に、あっという間に引き込まれて知らず知らずに涙が零れそうになってしまった。
滑らかな肌や衣装が美しい”普通の”仏像と比べれば、いや、比べられないが、心に染みこんでいく姿は、そのどちらであっても力を持っている。
木の中に潜んでいる仏の姿を、円空は必要最小限の手数で掘り出していたのかもしれない。
それなのに、我々の心を掴むのは、鑿痕の残る姿の内側に本当の姿を見させるからなのだろう。
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