『El Greco エル・グレコ展』 (東京都美術館) を観る

まだまだ肌寒かった春の日。
いやはや、期待した以上の衝撃というものは、やっぱり実際にあるものなのだと思った。
エル・グレコ。
これまた、名前くらいは聞いたことがあるかなぁ、といういつものパターンで、この看板を見たときも何となく宗教画にしてはちょっと風変わりだねぇ、なんて風に感じていた。
展示作品は彼の年代順に並んでいて、初期の作品はまだまだ静謐さを感じさせるのだけど、後半になるとガンガンと勢いがついているというか、天衣無縫。
何しろ特徴的なのは、天使やらマリアやらが来ている衣装。
まるで、鮮やかな色のビロードの、細かな繊維に光が反射しているような。
看板で見るのとは全く違って、絵そのものが光を跳ね返している。力強さに圧倒される。
極めつきは、会場の最後に飾られる「無原罪のお宿り」
身長の2倍はあろうかという縦長のキャンバスの中で、遠近感を強調し、天に昇っていく聖母マリアの姿を見上げみつめていると、なにやら首根っこを掴まれて上へ上へと自分も引っ張られて行くような錯覚を覚える。
足下がフワフワとして、無重力。
未だかつて無い感覚だった。
この絵の数m先は会場の出口だったけど、反対方向に戻り、再度この絵の前に立ってみた。
やっぱり何かの力によって持ち上げられる感覚。
あわわわわ。
今思いだしても、その時の感じに背中が痺れてしまう。
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