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2014.08.08

『みて、きいて、ふれる-この夏に知る戦後の労苦』 (平和祈念展示資料館) を観る

20140808a

この夏、昭和館しょうけい館、そしてここ平和祈念展示資料館の、3館連携企画ということでスタンプラリーをやっている。
あっしは知らなかったのだが、最後に来た平和祈念展示資料館でラリー用のシートをもらったので、先の2館はもう一度行かなければならない(笑)

平和祈念展示資料館は、新宿住友ビルの48階にある。
このビルには初めて入ったが、エレベータが全階共通ではなく、例えば48階から52階用でそれ以外は停止しないといった使われ方をしている。だから、別のエレベータに乗ってしまうとたどり着かない(笑)

これら3館の展示内容はそれぞれ分野が異なり、平和祈念展示資料館では、
・召集・入営・兵士の装備
・戦後の強制抑留(特にシベリア抑留)
・海外からの引き揚げ
といったところに焦点が当てられている。

いずれのコーナーにも豊富な展示物があり、実物大ジオラマもある。
(ただし、リアル感としてはしょうけい館の野戦病院の方が上かなぁ…)
また、シベリア抑留の収容所全景のモデルがあったり。

とにかく、シベリア抑留に関しては、悲惨としか言いようがない。
ノルマのきつい強制労働、少ない食料、非常な寒さ。
最初の1年で多くの人が亡くなったという。

人が生きていくためには食料が最も重要であることも説明で示されている。
塊で渡される黒パンを平等に切り分けるための苦労や、それによる仲間間の争い。
飢えをしのぐために防寒着を手放してしまうほどの切羽詰まった状況。

極寒の地では、亡くなった仲間を埋葬することもできず、ただただ遺体に雪をかけただけだという。

また、戦後、大陸に残された人々が日本に帰還することも大変であったそうな。
食料はもとより、医療品もなく、せっかく帰還船に乗ることができても日本の地を踏むことができなかったという人々も多いという。

体験コーナーでは、防寒着を着ることができたり、軍装リュック(約20kg)を持ち上げたりといったことを体験できる。また、行動用ラッパのメロディーを聴くこともできる。ちなみに、某胃腸薬で使われているラッパのメロディーは、食事開始のモノだと言うことが分かった(笑)

この日は、子供向け企画として、これらの展示とは別に用意された実物資料(複製を含む)を使って、多くの説明員が説明に当たっていた。あっしもそれに混ざっていろいろと疑問点を聞いたりした。
たとえば、
・慰問袋は本当に届いていたのだろうか?
  (もちろん最初は届いていたんだろうけど、制空制海権をとられた後はどうだったのだろうか)
・(置いてあった)防弾祈願チョッキの裏地に使われているのが紙布のようであるが?
  (これはたまたま『底のない袋』(青木玉著)の中の「紙を着る」という随筆を読んだばかりだったので)
また、シベリア抑留から帰還する際、ソビエトから新しい防寒着を支給されたといった話も聞いた。(これは抑留中にもソビエトは抑留者に適切な扱いをしていたというカモフラージュのため)
などなど。

なお、合わせて企画展が開催されていて、「酷寒の地 シベリアを描く 早田貫一抑留絵画展」も観る。
茫洋として半ば絶望的なモノを感じさせるが、なぜか筆使いは柔らかい。失った仲間達への鎮魂のためなのであろうか。

先の2館もそうであるが、実物資料を前にすると、本や映像を経由して記憶していたものを凌駕する。
だから、だから、こういった資料館をもっと活用してもらいたい。

(51階は無料展望室なのだが、知らなかったので行かなかった。あぁもったいない(爆))



『みて、きいて、ふれる-この夏に知る戦後の労苦』
平和祈念展示資料館
2014/07/19~2014/08/31

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