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2015.02.10

USB DAC付ヘッドフォンアンプの話 (Digi Fi No.10 付録) その4

続きです

USB DAC付ヘッドフォンアンプの出力を再度確認すると、

・Maximum Output Power : 13 mW ×2 (300Ω)
・Line Level : 2 Vrms (MAX)

となっています。

使われている PCM2704C のアナログ出力関係の特性を下表にまとめると、

20150210a

となります。

もともと、アナログ出力である VoutL、VoutR は、

1.65 V を中心として、上・下にそれぞれ 0.9075 V (1.815 V peak to peak)の信号変化しかしません。
この場合、正弦波でこの電圧変化をすると仮定すれば、実効値は 0.6417 Vrms となります。
ヘッドフォンに対する出力であれば、負荷抵抗 16 Ω ならば、出力は 25.736 mW です。

したがって、ヘッドフォン出力だけならば、ICそのものの出力でまかなえます。
ただし、ヘッドフォンの負荷抵抗が増加すると出力は低下しますので、増幅してあげる必要が生じます。
例えば、本機の仕様にある負荷抵抗 300Ω で 13 mW を確保するならば、

1.975 Vrms (= √(0.013 × 300) ) の電圧が必要になるので、増幅率は、

1.975 / 0.6417 (= 3.078) 倍となります。

また、ライン出力を追加するとなると、2 Vrms (MAX) ですから少なくとも、

2 / 0.6417 (= 3.117) 倍の出力を作り出さなくてはなりません。

なので、それぞれOPAmpによる約3倍の電圧増幅が必要になるのです。

最初に、中心電圧に対してそれぞれ上下 0.9075 V の信号変化としましたが、これが3倍になると、2.723 V となり、上下合わせて 5.445 Vpp となってしまい、USB電源電圧 5V を超えてしまうことは前回書いた通りです。

なので、何らかの方法でこれを賄うだけの電源を作り出す回路を必要とすることになるのです。

また、OPAmp には、同相入力電圧範囲、出力電圧等の動作制限がありますから、十分な電源電圧を持たないと入力波形に対して出力波形が変化してしまう、つまり、歪んでしまうことにつながりますから注意が必要です。

なお、使われている OPAmp である NJM8080 では、それぞれ上下の電源電圧に対して標準で 1.5 V の余裕が必要となります。(これは、OPAmp の入力段・出力段が、トランジスタ2個分の Vbe を確保しなければならないことに由来しています。データシート(pdf)の等価回路を参照のこと)

さて、では、この「USB DAC付ヘッドフォンアンプ」ではどのようにしているのでしょうか。

ということで、次回に続きます

(今回は予定変更しました。すいません(汗))

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