2015.03.08

USB DAC付ヘッドフォンアンプの話 (Digi Fi No.10 付録) その6

ようやく本題へ(笑)

前回までで電源回路を工夫しなければならないことは分かりました。
そこで、最初に目を付けていたその部分のプリントパターンを追っていくと・・・

20150308a

という感じのメモができあがりました。

一番上の図は、プリントキバンに実装されている部品の接続状態で確認できたものです。L(コイル)があるということはスイッチング電源である可能性が非情に高く、ダイオードと電解コンデンサの接続状態からすると、真ん中の図の昇圧型のスイッチング電源回路であることは確定。
(他にも降圧型、降昇圧型もありますが、これらの部品の接続は異なります)

そうなると、オペアンプの電源はいいとして、信号用の仮想GNDをどうするか、という問題が残ります。この仮想GNDに対して、オペアンプの電源端子の電圧を振り分けるためです。

最初考えたのは、前回まで考えていた必要な電源電圧である5Vを確保すればいいことから、AのUSBの+5Vをそのまま仮想GNDとして使い、0Vを見かけ上-5Vにする方法なのではないかと考えていました。ただ、そうなるとUSBに重畳するノイズ成分が信号用の仮想GNDを直撃するために、聴感上のノイズがひどくなると考えられます。

そこで、Bのようにオーソドックスな方法なのではないか、と思ってさらに部品やプリントパターンを追ってみました。

その結果…。

20150308b
(図をクリックすると、別窓で大きな表示を出します)

多分大きな間違いは無いと思いますが。

昇圧用の素子としては、専用のコントロールICを使っています。
シリーズ電源用のトランジスタは、NPNかPNPか、それともFETなのか分かりませんが、いずれにしろこの部分で降圧しています。

スイッチング電源回路の後ろにシリーズ電源回路を挟んで、電源電圧に重畳するノイズを除去しようと配慮している、ということでしょうか。

ただし、音楽データ無しで外付けアンプにつなぐと、アンプのボリウムを上げていくにしたがって「サー」といったノイズが出てきますので、何らかのノイズ成分が回路に乗っていることは明らかでしょう。(スイッチング電源の動作周波数は測る機器を持っていないので分かりません(汗))

スイッチング電源部の出力電圧は、実測で13.1V。
シリーズ電源部の出力電圧は、実測で12.4V。
信号用仮想GNDの電圧は、USB-GNDに対して、6.2V。
となっていました。
したがって、最初の図のBの構成であることは確認できたと思っています。
信号の仮想GNDに対して、+/-6.2Vがオペアンプに供給される電源電圧ということになります。

あとは、オーソドックスな回路構成といっていいと思います。

ヘッドフォンのためのオペアンプ増幅回路ゲインは、4.7kΩと10kΩで約3.13倍と、事前の計算に近いので間違えてはいようですが、ライン側の増幅率設定抵抗は、3.3kΩと10kΩになっているので約4倍になっているようです。ここの部分はあっしの計算間違いか見落としがあるのかもしれません。

いずれにしろ、解析後の回路図は誠にオーソドックスであり、逆に言えば変に凝った構成にしていないようです。雑誌の付録にする上では、最小限の構成・部品を使って最大の効果を得るのが目的となりますから、当たり前だといえばそれまでですね(笑)

とりあえず、ここで一旦筆を置きます。
何か間違い等ありましたらご指摘願います。


しかしながら、現在不満に思っているところもあります。
それは、音量設定の方法です。
最初の記事にもありますが、音量のアップ/ダウンは、プッシュスイッチで行うようになっていますが、これはパソコン上のボリュームコントロールを直接変更することで実現しています。
何が問題かというと、アプリケーションで丁度良い設定にしておいたとしても、ヘッドフォンで聴くと大きすぎたりすることになるのです。

つまり。ヘッドフォンで聴いた後にスピーカで聴こうとするとスイッチを押して音量を設定し直さなければならない、わけです。

まぁ、付録としてのコストとの兼ね合いがあるわけですから、妥協した部分なのかもしれません。
これが我慢できなくなったら、音量設定用のボリウムを付ける改造をするかもしれませんね(笑)

その時は、またアップします。

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2015.02.20

USB DAC付ヘッドフォンアンプの話 (Digi Fi No.10 付録) その5

引き続きです

前回は文字ばかりだったので、今回は図を使って再度簡単に説明します。

20150220a
( ↑ よく見えない方はクリックすると別窓で表示します)

図(A)は、PCM2704C 自体のアナログ出力です。
アナログ部の電源電圧である 3.3V の 1/2 (= 1.65 V) を中心として、電源電圧の0.55倍をPeak to Peak (=1.815 Vpp)とする正弦波振幅を出力します。

ところが、本機の出力仕様を満たすためには、約3倍の電圧増幅が必要になります。

図(B)は、この増幅後のアナログ出力波形を示したものです。
この図では、1.65 Vを正弦波の中心としています。

正弦波の振幅は、5.66 Vpp (Peak to Peak) となるために、波形の上側は 4.48 V、下側は -1.18 V になります。

この時点で、既に元の電源電圧 3.3V を超えていますし、USBの電源電圧 5V の範囲にも収まっていません。したがって、電源側に何らかの対処が必要なことが分かります。

また、オペアンプを使って増幅させる場合には、前回も述べたように同相電圧入力範囲、出力電圧範囲の制限である 1.5V の余裕を持っておかなければならないことにも注意が必要です。

ここで、正弦波の上半分の半波だけを考えてみます。

仮想電圧基準(仮想GND)を 0V としてみると、上側ピーク電圧は 2.83V 。
さらに、オペアンプの動作電圧余裕を 1.5V とすれば、

2.83 + 1.5 = 4.33

となって、5V 以下となります。
つまり、半波ずつであれば、それぞれに対応する電源電圧が 5V で事足りることになります。

通常、オペアンプの基準電圧は 0V 、電源電圧は上下均等に 5V (+5Vと-5V)とか、12V (+12Vと-12V)などにするような考え方です。

ここで、5V といえば、USBの電源電圧ですから、そのまま使えれば使ってしまった方がいいでしょう。

それでは、もう一つの電源はどうするか?

既に、その2の回で、それらしい回路があることに気がついてはいますが…。

いよいよ次回真相が明らかに
(まだ続くのかよ(笑))

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2015.02.10

USB DAC付ヘッドフォンアンプの話 (Digi Fi No.10 付録) その4

続きです

USB DAC付ヘッドフォンアンプの出力を再度確認すると、

・Maximum Output Power : 13 mW ×2 (300Ω)
・Line Level : 2 Vrms (MAX)

となっています。

使われている PCM2704C のアナログ出力関係の特性を下表にまとめると、

20150210a

となります。

もともと、アナログ出力である VoutL、VoutR は、

1.65 V を中心として、上・下にそれぞれ 0.9075 V (1.815 V peak to peak)の信号変化しかしません。
この場合、正弦波でこの電圧変化をすると仮定すれば、実効値は 0.6417 Vrms となります。
ヘッドフォンに対する出力であれば、負荷抵抗 16 Ω ならば、出力は 25.736 mW です。

したがって、ヘッドフォン出力だけならば、ICそのものの出力でまかなえます。
ただし、ヘッドフォンの負荷抵抗が増加すると出力は低下しますので、増幅してあげる必要が生じます。
例えば、本機の仕様にある負荷抵抗 300Ω で 13 mW を確保するならば、

1.975 Vrms (= √(0.013 × 300) ) の電圧が必要になるので、増幅率は、

1.975 / 0.6417 (= 3.078) 倍となります。

また、ライン出力を追加するとなると、2 Vrms (MAX) ですから少なくとも、

2 / 0.6417 (= 3.117) 倍の出力を作り出さなくてはなりません。

なので、それぞれOPAmpによる約3倍の電圧増幅が必要になるのです。

最初に、中心電圧に対してそれぞれ上下 0.9075 V の信号変化としましたが、これが3倍になると、2.723 V となり、上下合わせて 5.445 Vpp となってしまい、USB電源電圧 5V を超えてしまうことは前回書いた通りです。

なので、何らかの方法でこれを賄うだけの電源を作り出す回路を必要とすることになるのです。

また、OPAmp には、同相入力電圧範囲、出力電圧等の動作制限がありますから、十分な電源電圧を持たないと入力波形に対して出力波形が変化してしまう、つまり、歪んでしまうことにつながりますから注意が必要です。

なお、使われている OPAmp である NJM8080 では、それぞれ上下の電源電圧に対して標準で 1.5 V の余裕が必要となります。(これは、OPAmp の入力段・出力段が、トランジスタ2個分の Vbe を確保しなければならないことに由来しています。データシート(pdf)の等価回路を参照のこと)

さて、では、この「USB DAC付ヘッドフォンアンプ」ではどのようにしているのでしょうか。

ということで、次回に続きます

(今回は予定変更しました。すいません(汗))

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2015.01.19

USB DAC付ヘッドフォンアンプの話 (Digi Fi No.10 付録) その3

前回に引き続きです。

TI/Burr-BrownのPCM2704CというICは、パソコンのUSBと信号のやりとりをして、デジタル信号としてやってくる音のデータをアナログ信号として出力するものです。

それで、このICの特徴としては、アナログ信号出力はヘッドフォンの駆動信号としてほぼそのまま使うことができることにあります。

データシートのp.31にあるFig.35を必要な部分だけ抜き出してみると、こんな感じになります。

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このICを中心として、十数個の受動部品を追加するだけで、ヘッドフォン専用の回路にすることができるわけです。
出力側を電解コンデンサでACカップリングしているだけなので、小さな出力であれば可能なのです。(実際、ヘッドフォン出力は、13mW x 2 、at 300Ω)

しかし、実際には、DigiFi Vol.10の付録キバンにはLine出力もできるようになっていますから、これに2Vrmsの出力(at 600Ω程度)となります。
2Vrmsということは、約5.66Vppとなるわけですから、USBから供給される電源電圧5Vを超えることになって、この回路をそのまま使ってLine用とすることはできません。

そこで、前回の図に描いたように、Line用として電源回路が必要になるという推測する根拠になったわけです。

次回は、その電源回路の構成について推測します


(なお、以前の記事もそうですが、このキバンの解析に関しては、私の推測に基づくものですから、正確である保証はしません。参考程度にとどめてください)

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2015.01.15

USB DAC付ヘッドフォンアンプの話 (Digi Fi No.10 付録) その2

前回に引き続き、USB DAC付きヘッドフォンアンプ(Digi Fi No.10)についてです。

今回は、使っている部品について少し詳しく見てみました。
採り上げた部品については、それぞれのメーカのデータシートへのリンクをつけましたので、興味のある方は参考にしてください。

20150115a

まずは、メイン機能を司る「PCM2704C : Stereo Audio DAC with USB Interface, Single-Ended Headphone Output, and S/PDIF」
(TI (Texas Instrument)/Burr-Brown製)

英語ですけど、つまりは、
「ステレオのDAコンバータにUSBインターフェイスを付けて、ヘッドフォンアンプも付けたICですよ」
というものです。

極論すれば、このICが1個と水晶振動子、いくつかのコンデンサや抵抗を付けるだけでいいのです。
それにしては、他にもICが付いていますね。

それが、新日本無線のオペアンプ。
ローノイズの NJM8080。
オーディオ用の標準的なモノです。
これが2個使われています。
IC 1個に2回路のオペアンプが入っていますので、R/Lの2チャンネル分ですね。
Line出力と、ヘッドフォン出力用にそれぞれ使っているのでしょう。

でも、もともと最初に採りあげた PCM2704C にはヘッドフォン出力可能なわけですから、ヘッドフォン出力側にはいらないのではないのかと思ってしまいますが、そうではありません。

Line出力側、あるいは、ヘッドフォンを接続したり、あるいはその両方を同時に使うと、それらの負荷抵抗分によって出力電圧が下がってしまうことになります。
つまり、音量が下がってしまうのです。
だから、それぞれにバッファ用のオペアンプを通しているのでしょう。

次は、電解コンデンサ。

一番大きな電解コンデンサは、日本ケミコンのSMQシリーズ、6800μF。
おそらく、USB-IFから供給される電源電圧(5V)を安定化させるモノでしょう。

その他の小さなコンデンサは、同じく日本ケミコンですがSMGシリーズで統一されているようです。

いずれも、標準タイプで85℃品、寿命は2000時間。
まぁ、これほど温度が上がることは無いでしょうから、寿命については無視できるでしょう。

オーディオに詳しい人は、おそらくこれらの電解コンデンサの性能が音質を左右することに興味あるでしょうから、いろいろと交換してみると面白いでしょうね。


さて、右上の部分に採りあげたのは、部品単体では無く、回路ブロックとしてです。
含まれている部品は、
・チョークコイル
・ダイオード
・電解コンデンサ
・IC
です。
こういう構成だと、スイッチング電源だと推測されます。

どんなスイッチング電源なのか、何故必要なのかを、次回解析したいと思います。


以下、データシート(pdf)のURLです。

PCM2704C
NJM8080
SMQシリーズ
SMGシリーズ


ということで、次回に続きます・・・

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2015.01.13

USB DAC付ヘッドフォンアンプの話 (Digi Fi No.10 付録) その1

最近、ネットワークオーディオ、ハイレゾ、なんて言葉が飛び交ってますが。

あっしは、ハイレゾ音源を持っていないし、入手するつもりも無い。
だからというか、今持っているCD音源を最大限いい音で聴くことができるようにすることの方が重要なのである。

『Digi Fi』という雑誌は毎号買っているのではなく、付録に興味があって購入。

20150112a

付録のキバンはこんな感じ。(80 mm x 65 mm コネクタ類の出っ張りは含まず)

20150112b

キバンに印刷されている単語にピンと来た人は、多分オーディオ方面に詳しい人かと思います。

Olasonic

最近、雑誌などで小型のDACユニットやアンプ、CDデッキなど好評価を得ている会社。

むき身のまま、一度使ってみたことはあったのだが、そのままほったらかしにしておいたので、ちゃんと使えるようにしてみた。
本来ならば、ノイズの関係で金属ケースに入れるべきなのだろうけども、そんな道具もないし100円ショップのプラケースで済ます(笑)

元々、キバンを4カ所固定するネジとスペーサは付属しているが、スペーサとケースを固定するネジが無いのでそれも購入。(M3x10 4本)

20150112c

固定した状態、および、各ケーブルを接続した状態では、こんな感じです。

キバンが向かって右側に寄っているのは、ヘッドフォンジャックとアップ/ダウンボリュームスイッチの位置がほぼ面一になるようにしたからです。

ヘッドフォンとボリュームスイッチ側。

20150112d


USB端子とライン出力端子側。

20150112e


電源はパソコンのUSB側から供給されるので、外付け電源は不要。
詳細は次回あたりで少し解析してみようかと思います。

使った感じは、スカッとした音で押し出しも強く、なかなかいいです。
これは、先日買ったインナーイヤー型ヘッドフォンATH-CKR10との相性が良かったからかもしれません。

同じオーディオテクニカの長年使っているオーバーヘッド型ヘッドフォンATH-A900だと、少し落ち着いた音になりました。

次回に続く・・・

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2015.01.07

イルカつながり

元日の大洗水族館を出るときに、見つけたパンフレット。

20150102a

まさか、「イルカつながり」を意識して置いたわけではないと思うが、

『伊勢正三 & イルカ ~二人の物語~』

ですと。

そういや、あっしは未だにイルカの曲聴いてますが、なにか?

なごり雪、雨の物語、海岸通り、いつか冷たい雨が、ちいさな空、・・・・。

生演奏を聴いてみたいなぁ。

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2014.12.30

インナーイヤー型ヘッドフォンの買い換え

以前、iPod用のインナーイヤー型ヘッドフォンとして、オーディオテクニカのATH-CK7という型式のものを使っていた。
それまでは数千円のものを使っていたのだが、ATH-CK7にしてみたら、モノの見事に音が違って聴こえたことに驚いたことを覚えている。

4〜5年使っていたら、片耳の音が出なくなり、おそらくはプラグの付け根のケーブルが切れたのだろうと思うけど、応急的にまた数千円のヘッドフォンを使っていた。

まぁなんですね。
数千円のヘッドフォンの音は、こんなモンだと思えばこんなモンだし、機種にもよるけど、低音はすかすかだし、だから逆に高音がシャカシャカに感じるし、音量を大きくするとボンつくというか締まりの無い音になるし。

我慢我慢と思っていたけど、我慢できなくなって、新しいヘッドフォンを物色してこれを選んだ。

オーディオテクニカのATH-CKR10

もともと、ATH-CK7はハウジングがチタンでできているという所が気に入っていたので、同じ材質を使っているのと、実際に聴いてみた印象で決定。
値段からすると、CK7の1.5~2倍くらい(涙)

だけど、ドライバが大きく、プッシュプル構成になっているなど、音質向上策も採られているとのことで、納得の音に感じた。
低音は締まっていてだるくなく、高音も抑制が効いていてすっきりとしている。

レジで注文すると、出てきたのが・・・。

20141229e

なんと、立派な箱入りですよ。(実は、収納用の合成皮革の小箱も同梱されている)
箱いらないから安くしてほしいよ(笑)

20141229f

実物は、ドライバが大口径化されているので、ここだけ見ると大きく感じるが、耳に突っ込んでしまえば見えないから関係ない。重さもあまり感じないので、着装状態もしっくりきているようだ。
ただ、ケーブルも太くがっしりしているので、取り回しやケーブル自体の摩擦音が気になることがあるので、ポータブル用として購入を考えている人は参考にしてください。

しかし。
iPodに入っている同じファイルを聴いてみても、音の差は値段以上の差に思えるほど。10倍以上良い!
上記の点を差し引いても買う価値あります。

なので、さらに音を良くするべく、非圧縮ファイルに移行しようとライブラリの再構成中。
(これが結構面倒くさい)

現状、ハイレゾ音源データは持っていないのだが、一応それに対応できるように、ちょこちょことした工作を実行中。
そのうち公開します。

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2013.10.06

トム・ウェッセルマンの画集とマイ・フェア・レディのスコア

20131005a

先々月だったか、古書店のビル壁に作り付けられている露天棚の中に、マイ・フェア・レディのヴォーカルスコア(洋書)を見つけた。

それなりに年季が入ったモノなので、ヤケやシミがあり、表紙のビニールコートも剥げかけている。
なので、420円。

もちろん購入。(何がもちろんなのかは、あっしの問題だからねぇ(笑))

昨日、ネットで検索して在庫を確認しておいたトム・ウェッセルマンの画集を神保町に取りに行く。
こちらは思った以上に程度が良く、1050円。
ただ、あっしが再度見たかった『Seascape Dropout』は未掲載。
残念。
でもまぁいいや。

古書に心理的障壁がほとんどとれてしまったので、ガンガン買い込んでいる今日この頃。


20131005b

さて、話は戻って、マイ・フェア・レディのヴォーカルスコアですが、よくよく見ると、

REX HARRISON と JULIE ANDREWS

の名前ですね。
つまり、映画ではなく、舞台で使われたバージョンのスコアなんです。
それも、ニューヨークのブロードウェイではなく、ロンドンのシアター・ロイヤル・ドルリー・レーンでの初演のものらしい。
マイ・フェア・レディの舞台はロンドンですから、まさに地元で地元の話をやる、ってことですね。

残念ながら、このヴォーカルスコアがいつ出版されたモノなのか書かれていないので、これ自体の古さがよく分からない(笑)

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2012.09.09

『「尾崎豊特別展」 OZAKI 20』 (ラフォーレミュージアム原宿) を観る

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尾崎豊が死んだ、との情報を初めて聞いたのが、ちょうど20年前の4月25日の昼を大分過ぎたあたりだっただろうか。

上野の科学博物館の裏手、線路沿いの道を、FMラジオを聞きながら歩いていたときだった。
「えっ?」
と思ったそのすぐ後に、気温が急に下がったような気がしたを覚えている。

自分では、ファンだと思ったことは無く、単に楽曲を聴きくくらいのものである。

初めて尾崎豊を知ったのが『早すぎる伝説』というTV番組だったのかもしれない。
その前に曲を知っていたのかもしれないが、存在として意識したのはその番組だった。
記憶はおぼろげであるが、尾崎豊が泣くシーンがあって、なんだかそれは泣き笑いというか、一種危ない泣き方だな、危ないヤツだな、なんて感想を持ったのだ。
(これは全く別の記憶かもしれないのだが、あっしにとって『早すぎる伝説』とはこの場面の記憶なのである)

ただ、それ以外に尾崎豊の生き方については興味はなく、CDが増えていくだけであった。
だから、尾崎豊が死んだときも、その死に方に疑問符が駆け回るようなことも無く、淡々とそれを受け入れるのみだったのだ。

その後、見城徹の『編集者という病い』という本の中で、尾崎豊の内面を幾ばくか知り、疑問符が出る前に感嘆符が出た。とはいえ、それ以上でもなく、それ以下でもなく。
要するに、あっしと尾崎豊は他人であるし、近づこうが遠ざかろうが、どうでもいいのだ。


でも。
歌の中で発せられるメッセージは、だれでも一度は考え、疑問に思い、どうすればよいのかと悩むあれこれを、すくい上げている。
もし、誰か他の人が同じ歌を最初に歌っていたら、と考えてみると、そういうシーン自体が浮かばない。
尾崎豊の曲は、尾崎豊でしか為し得ないと思わせるだけの重力があって、知らず知らずのうちに、あっしの精神的な部分の少しは引きつけられているのだ。


思うところはいろいろとあり、今回の特別展で何かが分かるのか、変わるのかを期待して観てみたが、長い間奥の方で熟成していた考えは、そうそう変わるものではないことが分かった。
尾崎豊が発した数々のメッセージが、居並ぶ写真パネルであったり、楽器だったり、ノートやイラストだったりを観た後でも変化することは無い。既に、確固たるものとして、脳味噌のどこかに置かれていることに改めて気付くのだ。


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会場入口の大型パネル。(唯一、写真の撮れる場所だそうです)


ちょっと別の話。

今回も音声ガイド500円也を借りましたが、今まで他の場所で使われていたモノとは種類が違い、ペン形で会場内の壁に掲げられているプレートをなぞるとヘッドフォンから解説が流れるというものでした。

はっきりいって、これはめんどくさいし、会場が混雑するとプレートの前に人がいたりして避けたり待ったりしなければならない。他の展示会のようにテンキーで選択するやつにすべきだと思う。

また、音声ガイドの内容も、一カ所に対して内容が長すぎ。
もちろん、内容が充実していること自体はいいのですが、たとえば、とある写真の解説が2分も3分も必要だろうか。(何十枚と写真はあるのに、そこで立ち止まってしまうことになる)
同じ内容を分割して、見学のペースに合うようにすべきだと思いました。


『「尾崎豊特別展」 OZAKI 20』
ラフォーレミュージアム原宿
~9/19

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